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1. ChatGPTでシナリオを作るメリットと注意点

メリット

ChatGPTを使えば、シナリオ作成のハードルがぐっと下がります。

  • アイデア出しが速い
    白紙から考えるのではなく、キーワードや設定を入力するだけで複数の展開案を提案してくれます。

  • 複数パターンを比較できる
    一つのテーマから異なるストーリー展開を何案も生成できるので、最適な方向性を選びやすいです。

  • 登場人物や世界観を整理しやすい
    キャラクターの性格や口調、舞台設定などを明確にしてくれるため、ストーリーがブレにくくなります。

  • 初心者でも形にしやすい
    専門的な脚本知識がなくても、「骨組み → シーン分割 → 台本」と自然に形にしていけます。

注意点

ただし、AIの出力をそのまま使うのはおすすめできません。

  • 表現の不自然さ
    セリフや描写に人間味が足りないことがあるため、仕上げは手直しが必要です。

  • 著作権・オリジナリティ
    既存作品に似た展開が混ざる可能性があるため、独自性を意識しましょう。

  • 演出面での調整
    実際の映像・舞台・音声にする場合は、尺や演技を考慮して修正が必要です。

  • 一貫性の確認
    キャラクターの口調や行動が途中でブレることがあるので、最終チェックは必須です。


2. シナリオ作成の準備と情報整理テンプレート

シナリオを作る前に、まずは最低限の材料を整理しておくことが大切です。
この段階での準備がしっかりしていると、ChatGPTの出力も具体的で使いやすいものになります。

準備しておくべき要素

  • 目的
    何のために使うシナリオなのかを明確にします。
    (例:YouTube動画用、TikTokの短尺動画、演劇の朗読台本、教育用教材 など)

  • 想定ターゲット
    誰に向けた作品なのかを設定します。
    (例:10代の学生向け/ビジネス層向け/ファンタジー好きの読者向け など)

  • ストーリーの基本要素

    • 登場人物:名前・性格・役割

    • 舞台:時代や場所、世界観(現代東京/異世界/学校など)

    • テーマ・メッセージ:作品を通して伝えたいこと(友情・成長・感動・笑い など)

👉 この情報が揃っていれば、ChatGPTに渡すだけでストーリーの骨格をしっかり作れます。


ChatGPTに渡す情報テンプレート(コピペ用)

下記のテンプレートに入力して、そのままChatGPTに投げるのがおすすめです。

【シナリオの種類】:(例:YouTube台本/短編漫画/演劇)  
【ジャンル】:(例:コメディ/恋愛/ホラー)  
【登場人物】:(例:主人公:大学生の太郎、ヒロイン:同級生の花子)  
【舞台】:(例:現代の東京の大学キャンパス)  
【あらすじの方向性】:(例:主人公が花子に告白するまでのドタバタ劇)  
【目的】:(例:5分程度のYouTube動画にしたい) 

👉 ポイントは「ざっくりでもいいから空欄を埋めること」
AIに完全に任せるよりも、最低限の方向性を指定した方が、出てくるシナリオの質が格段に上がります。


3. プロンプト例

3-1 プロット作成プロンプト(骨組みづくり)

まずは物語の全体像を作ります。
ここで「起承転結」や「三幕構成」を出してもらえば、ストーリーの流れが固まります。

あなたはプロのシナリオライターです。  
以下の情報をもとに、シナリオのプロットを作成してください。  

条件:  
- 起承転結の4つに分けて出力する  
- 各パートを2〜3文でまとめる  
- 全体の流れが自然につながるようにする  
- 【目的】に合わせて長さを調整する  

▼情報
【前項で作成した情報テンプレートを貼り付け】

出力例:ヒューマンドラマ「父と娘の和解」をテーマにした短編演劇台本


3-2 キャラクター設定プロンプト(人物の個性づけ)

次に、登場人物に「声」と「個性」を与えます。
これを設定しておくと、後の台本が自然になります。

以下の登場人物について、それぞれの特徴を整理してください。 

▼登場人物
【ここに入力】 

条件:  
- 性格を一言で表す  
- 話し方・口調の特徴を具体的に(例:敬語/砕けた言葉/ツンデレ風など)  
- 行動パターンを簡潔に(例:困ると頭をかく/冗談を言って場を和ませる)  
- 物語での役割を一言で示す 

👉 複数人いる場合は、その人数分まとめて渡してください。


出力例:


3-3 シーン分割プロンプト(場面ごとの流れを設計)

物語をシーンごとに分けて整理します。
これがあると「動画ならカット割り」「漫画ならコマ割り」にも応用しやすくなります。

下記のプロットをもとに、物語を「シーンごと」に分割してください。

▼プロット
【ここに3-1で作成したプロットを貼り付け】  

条件:  
- シーン番号をつける(例:Scene1, Scene2…)  
- 各シーンでの舞台・状況を1〜2文で説明する  
- 登場人物を記載する  
- シーンの目的や展開を1〜2文で要約する  

出力形式:  
Scene番号|舞台・状況|登場人物|展開

出力例(一部):


3-4 台本化プロンプト(セリフ形式に変換)

最後にシナリオを「読める形」にします。
セリフとト書きを分けて出力すれば、そのまま台本や朗読用に使えます。

以下のシーン分割をもとに、セリフ形式の台本を作成してください。  

条件:  
- セリフの前にキャラクター名を明記する  
- 動作や情景描写は【 】で括って書く  
- 各セリフは自然な口調になるよう調整する  
- 全体で【目的】に合った長さにまとめる(例:5分程度の朗読で収まる)  

▼シーン分割
【ここに3-3で作成したシーン分割を貼り付け】

出力例(一部):


運用のコツ:全文貼り付けとシーンごと生成の使い分け

  • 短編(5〜20分程度、シーン5〜7個まで)の場合
    → シーン分割を全文まとめて貼り付け、一括で台本化
    流れの一貫性を保ちやすく、長さも自動で調整される

  • 長編(30分以上、シーン10個以上)の場合
    → シーンごとに分けて台本化し、後で繋げる
    各場面を細かく描写でき、部分的な修正もやりやすい

  • おすすめの進め方(ハイブリッド)
    ① まず全文で荒い台本を生成
    ② 大事なシーンだけ切り出して再生成
    ③ 最後にキャラの一貫性を人間がチェックして仕上げる


👉 この「3. プロンプト例」をChatGPTに順番に投げれば、
初心者でも自然に プロット → キャラ設定 → シーン構成 → 台本 まで完成させられます。


4. 応用テクニック

基本の流れ(プロット → キャラ設定 → シーン分割 → 台本化)だけでもシナリオは完成しますが、
追加指示をうまく組み込むことで、より自分の用途やイメージに近づけられます。


📌 追加指示を入れるタイミングの目安

  • 3-1 プロット作成
    物語の「骨組み」に関わる指示を入れると効果的

    • 例:ゲームシナリオで「選択肢や分岐を入れる」

    • 例:トーン(感動系/コメディ)を全体に指定して雰囲気を統一

  • 3-3 シーン分割
    各場面の「設計」に関わる指示を加えると効果的

    • 例:YouTubeで「秒数をつける」

    • 例:Web漫画で「1ページ=4コマ」と指定する

    • 例:場面転換を明確に(暗転・カット切替など)

  • 3-4 台本化
    表現面をコントロールする指示を入れると効果的

    • 例:ASMRで「囁き声にする」「環境音を入れる」

    • 例:演劇で「セリフをゆっくり読ませる」

    • 例:キャラクターの口調を砕けた言葉/敬語/方言に指定する

👉 つまり、「構造の工夫=プロット/場面の工夫=シーン分割/表現の工夫=台本化」と覚えるとスムーズです。


🎮 ゲームシナリオの場合

  • 追加指示の入れどころ3-1 プロット作成

  • 指示内容の例

    • 各シーンで「プレイヤーの選択肢」を2〜3案提示する

    • 選択によって分岐する展開を作る

出力例(一部抜粋)


📹 YouTube・TikTok動画の脚本の場合

  • 追加指示の入れどころ3-3 シーン分割

  • 指示内容の例

    • 各シーンに「秒数(◯秒程度)」を指定する

    • カメラワークや演出を加える(ズーム/カット切替など)

    • 最後にオチやCTA(登録・購入を促す)を入れる

出力例(一部抜粋)


🎙️ ボイスドラマ・ASMR台本の場合

  • 追加指示の入れどころ3-4 台本化

  • 指示内容の例

    • セリフに声のトーンを指定する(囁き/優しい声/怒りなど)

    • 効果音や環境音を【効果音:ドアが開く】のように明記

    • 聞き手を意識した一人称視点に変える

出力例(一部抜粋)


🎭 演劇・朗読・教育用台本の場合

  • 追加指示の入れどころ3-4 台本化

  • 指示内容の例

    • 観客に伝わりやすいトーンを指定(ゆっくり/力強く)

    • 教育用なら各シーンの終わりに「学習ポイント」を追加

    • 場面転換を明確に(暗転/照明/舞台指示など)

出力例(一部抜粋)


📚 Web漫画(Webtoon)の原案・脚本の場合

  • 追加指示の入れどころ3-3 シーン分割

  • 指示内容の例

    • 1ページ=4〜6コマを想定してコマ割りを出す

    • コマごとに「絵の構図」+「セリフ」をセットで書かせる

    • セリフは短め(吹き出しに収まる程度)に調整

出力例(一部抜粋)


❓ クイズアプリ向けシナリオの場合

  • 追加指示の入れどころ3-4 台本化

  • 指示内容の例

    • 出力形式を「問題文 → 選択肢 → 正解 → 解説」にする

    • 各問題の難易度を指定(初級/中級/上級)

    • 解説部分にちょっとした豆知識を加える

出力例(一部抜粋)


まとめ:応用テクニックの使い方

  • 構造を工夫する(プロットで分岐やトーンを指定)

  • 場面を工夫する(シーン分割で秒数・コマ割り・演出を追加)

  • 表現を工夫する(台本化で口調・効果音・学習ポイントを指定)

👉 このように、どの段階で何を指定するかを意識するだけで、ショート動画からゲーム、教育教材まで幅広く対応できます。

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